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1ヶ月のキャンプ生活でわかったこと。

座間味でのキャンプ生活が終わった。

座間味島。

那覇からフェリーで2時間の慶良間諸島の一つの綺麗な島。

ここで約1ヶ月テントを張っての生活。

海・空・山どれも贅沢。

さだまさしさんの「風に立つライオン」が映画化されるニュースが

東京に帰って流れてたけど、その歌詞の中に

「この偉大な自然の中で病と向かい合えば、神様について人について考えるものですね」

というフレーズがあるけど、その言葉通り、

偉大な自然を前にして、人の生活について考えざるをえなかった。

毎日の主なアクティビティは海に潜るか、魚を釣りに行くか。それ以外は本を読んだり、星を見たり。

お酒好きの島の区長であり友人が毎日僕のテントにやってくる。

「原ちゃん飲むか!」

そしてその後の一言が、

「よし、じゃ準備してくる!」

と言って持ってくるのが釣り竿。

「つまみをとりに行かないと飲めんだろ!」

そういう感じに5時位からその会話が始まり、釣りに行く。

僕はスナック菓子が大好きだし、それをつまみに飲むのでも十分。

だけど、目の前にこんなに美味しい物があるのに食べないほうがおかしいだろとのこと。

約2時間弱釣りをして、連れた魚を持ち帰り、炭をおこして、魚を捌いて

焼き、刺し、汁のフルコースとともに飲みが始まるのが大体22時過ぎ。

一瞬で魚を平らげて、24時くらいにはお開き。

そして星を見たいだけ見て、ゆっくり眠る。

朝日が出て、テントが暑くなってきたくらいに自然と目を覚まして、

目の前の海に潜るなり、ゆっくり本を読むなり好きなことをして

夕方から釣り。

大体の生活がその流れ。

僕が普段生活している場所では、5分歩けばコンビニがあるしご飯屋さんもある。

そこでは一言も言葉を発する必要なく、お金を出せば自分の欲しいものが手に入る。

食料にアクセスするまで数分しかかからない。

島で僕が体験した生活はそうはいかない。

一言で釣りと書いたけど、針に丁寧にラインを巻いて餌を切ってつけて海に垂らす。

釣れた魚を外して、持って帰って捌いて食べる。

食料にアクセスするまでに長い時間がかかり、そこでたくさんのコミュニケーションが生まれる。

※敢えて極端な比較をしてることはご愛嬌で。

その生活を通して、自分の食料へのアクセス能力の生ぬるさを実感した。

そして、この生活を通して魚を捕ることから、食べるまでを一人でできるようになった。

この文章を読んでくれてる人に対して魚を捕って捌けるようになりましょう!と伝えたい。

という訳ではないのでご安心を。

自分の食料へのアクセス能力の低さを責める必要もない。

ただ、ここで伝えたいのは大してお金をかけなくとも、

食料を手に入れて生活する術があるということ。

※もちろん法律の範囲内での話

僕の普段の生活はお金がかかることが多い。

生活するにはお金がかかる。

そして給料日前になるとお金が無いことに不安になることも多くある。

僕と同じような感情になる人はたくさんいると思う。

僕の友人でもサラリーマンを辞めて農家になったという人も何人もいるし、

ニュースで農業がクロースアップされることも多い。

お金と密接した生活保障に対して不安を抱いて、

自分で食べるものを確保できるような術を身につけようというムーブメントの意味を

しっかりと身を持って理解できたと思う。

また、僕の島の友人はいつも定時に仕事を切り上げて、大体同じ時間にテントにやってくる。

それには大きな意味がある。

彼の言葉で言うなら、働き過ぎは良くないだろ!とのこと。

日中しっかり働いてるから夜は仲間と楽しくやりたいとも言っていた。

そして、彼だけでなく島の他の友人も同じようなことを言っていた。

「母ちゃんが美味しい飯を作ってくれてるから早く帰らないと。今度食べにおいでよ。」とか。

島での生活は手に入りにくいものもたくさんあるし、台風の時は停電して3日電気がつかない生活もあるらしい。

そして本島との連絡手段であるフェリーが海の時化によって動かない時は、海にも出れないし物資も届かず、島の食料が足りなくなることもある。

島内での職も限られているため、老後の仕事が限られてくる。

僕達日本人は生存権という権利によって生活が保証されているが、その権利を主張したくても色々な制限が出てくる。

だからこそ、島民同士の繋がりがめちゃくちゃ大事で、地域で家族のように助け合える関係を特に強く築いているのを

感じた。

それと同時に、セーフティネットの充実で経済的に自立した家族同士での関係が希薄になっている例もたくさんあるという

ニュースでの話の虚しさを感じないわけにはいかなかった。

諸刃の剣とはこういうことかもしれない。

こんなことを島の友人との交流の中で考えた。普段の生活では考えもしないような事。

島でのテント生活は、本当に贅沢だった。

敢えて普段の生活に手間を掛けるのがキャンプの醍醐味だと思う。

そして手間を掛けて遠回りする分、普段見えないものが見えてくる。

その普段見えない部分に普段は気付かない贅沢さや大事なことがあったりする。

僕は便利だと便利さに流される人間だから、たまにそういう生活をすることで

自分の足元と足取りを確かめる必要がある。

今僕は東京の港区にいてこの1ヶ月では絶対にありえない環境でこの日記を書いてる。

今頃島では釣った魚をどう料理しようか悩んでる時間かもしれない。

同じ時間の中で、違った場所や環境であれ平和な気持ちで日記をかけていることが

何よりも嬉しい。

そして明日はクリスマスイブ。毎年絶対やってることは

槇原さんの「チキンライス」を聴く。

今年も去年と同じような気持ちで聴ける自分であれたらと思います。

それではよいクリスマスを。

次はミャンマーでの事を書きます。よかったら読んでください。

原田裕人

2014-12-23 23:50 GMT+09:00 HIROTO HARADA <h.harada44@gmail.com>:

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